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鍼灸師としての独立開業は、自身の専門技術を最大限に活かす場を提供する夢の一歩です。しかし、開業までには多くの手続きや準備が必要です。

本記事では、鍼灸院を開業するまでの流れを具体的に解説しています。参考にしていただければスムーズに独立開業できるでしょう。

    目次

  1. 1. 鍼灸院独立開業までの流れ
  2. 1-1. 鍼灸院開業に必要な国家資格
  3. 1-2. 保健所に相談する
  4. 1-3. コンセプトを決め、事業計画を立てる
  5. 1-4. 集患活動の計画を立てる
  6. 2. 鍼灸院開業までに必要なもの
  7. 2-1. 開業に必要な物件の契約
  8. 2-2. 清潔を保つための設備
  9. 2-3. 施術台・枕やタオルケットなどの備品
  10. 2-4. 家具やスリッパ、予約や会計のシステムなど
  11. 2-5. 廃棄物を分別できるごみ箱
  12. 3. 鍼灸院開業に必要な費用の相場
  13. 3-1. 施術器具にかかる費用の相場
  14. 3-2. テナント契約にかかる費用の相場
  15. 3-3. 備品購入にかかる費用の相場
  16. 3-4. システム構築にかかる費用の相場
  17. 3-5. スタッフにかかる人件費の相場
  18. 3-6. 知名度を上げるための販促費の相場
  19. 4. 鍼灸院開業のポイント
  20. 4-1. 広告を出す際の注意点
  21. 4-2. 集客対策を徹底する
  22. 4-3. 出張専門で開業する方法もある
  23. 5. 【まとめ】独立開業をスムーズに行うには事前の準備がカギ

鍼灸院独立開業までの流れ

鍼治療

鍼灸院開業に必要な国家資格

鍼灸院を開業するためには、まず「鍼灸師」の国家資格を取得する必要があります。

鍼灸師資格は厚生労働省が定めた国家試験に合格することで取得できます。

資格取得のためには、厚生労働省認可の養成施設で3年以上の専門教育を受け、知識や技術を習得する必要があります。

実技だけでなく、人体の構造や疾患に関する知識も学び、総合的なスキルを身につけましょう。

保健所に相談する

鍼灸院を開業する際には、必ず保健所に相談しましょう。保健所では開業に必要な手続きや、施設の構造設備に関する基準を案内してくれます。

保健所窓口に行く際には、開設届、施術者(全員分)のあはき師免許証と身分証を持参してください。

特に衛生管理や安全面の基準は厳しく定められており 、開業後にトラブルを避けるためにも、事前の確認が重要です。

保健所での指導を受けることで、開業届の提出もスムーズに進められます。

コンセプトを決め、事業計画を立てる

開業前に、自院のコンセプトを明確にしましょう。

たとえばどのような患者層をターゲットにし、どのような施術を提供するのかということを具体的に決めてください。また、ターゲットとする患者さんの症状などを特化することも、他院との差別化を図るために必要です。

コンセプトをに基づいて事業計画書を作成します。

たとえば収益予測、マーケティング戦略、資金調達計画などを盛り込みます。事業計画書は、金融機関からの融資や助成金に申し込むためには欠かせない書類です。

集患活動の計画を立てる

あなたの鍼灸院が成功するかどうかを左右するのが「集患」です。

具体的に、どのようなメディアを使って宣伝するのか、一度来院してくれた患者さんにどやってリピートしてもらうのかということを考えましょう。

たとえば、SNSやWebサイト、ブログといったオンラインでの集客戦略は今どき欠かせません。

地域のイベントや健康相談会に参加し、地域密着型の信頼を築くことも忘れないようにしましょう。

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鍼灸院開業までに必要なもの

鍼灸院

鍼灸院開業の際には、施術に必要な機材や設備、施術室や待合室の整備など、多くのものを準備しなければなりません。衛生面や患者さんの快適さに直結するものばかりですので、しっかりと調達してください。

開業に必要な物件の契約

まず、衛生管理や安全基準を満たす施術室と待合室を設けられるテナントを探しましょう。

施設所の「構造設備基準」は、施術室は専用の区画で6.6m2以上の面積があり、面積の1/7以上に相当する部分の窓があるか、換気装置があること、3.3m2以上の待合室を設けることなどといったことを定めています。また施術室・待合室は固定されえた壁で上下左右完全に仕切られているものが望ましいとされています。

保健所の指導に基づき、十分なスペースや換気設備、トイレの設置など、基準に合った構造が必要です。

患者がリラックスできる環境を作るために騒がしいテナントは避け、なるべくアクセスの良いところを選ぶのがいいでしょう。

清潔を保つための設備

鍼灸院では、清潔さが何よりも大切ですから、消毒機材や手洗い場の設置は必須です。

施術に用いる器具・手指などの消毒設備がないと省令に定められています。施術に使用する鍼や器具は、使い捨てのもの以外はしっかり消毒する必要があり、衛生管理に万全を期すことが患者さんからの信頼にも繋がります。

施術台・枕やタオルケットなどの備品

施術台は、患者さんの平均的な体型に合わせ、使いやすいものを選びましょう。

少し高価になりますが、リクライニングできるものや高さを調節できる施術台を導入すると便利です。

また、枕やタオルケットなどの消耗品も多めに用意しておきましょう。

家具やスリッパ、予約や会計のシステムなど

施術室には患者さんのプライバシーを守るためのカーテンやブラインドも必須です。

また、患者さんがリラックスして順番を待てるように、快適なソファや椅子、テーブルなどを用意しましょう。貴重品をお預かりできるような鍵付きロッカーもあるといいでしょう。

受付にはスリッパや消毒用アルコール、電話、会計機器などが必要です。

受付や事務用のパソコンも必要で、スムーズに予約を受け付けるためには、予約システムも必要です。

廃棄物を分別できるごみ箱

鍼灸院では施術後に出るゴミの管理に気を配る必要があります。鍼やガーゼなどの感染性廃棄物などの感染性廃棄物を一般廃棄物としっかり分別し、適切な方法で処理できるように専用のごみ箱を設置してください。使用済みの鍼は産業廃棄物になりますので、一般ゴミとして出してしまうと不法投棄となり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律16条違反として,同条25条1項14号により,5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金という刑罰の対象となります。

ディプシーからのアドバイス

その他、地域の人々に鍼灸院を知ってもらうために、目立つ看板なども必要になります。看板はシンプルかつ視認性が高いデザインが理想的です。
また設備や備品だけでなく、Webサイトも制作し、予約システムや問い合わせフォームを設置する必要があるでしょう。

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鍼灸院開業に必要な費用の相場

電卓を持つ男性

鍼灸院開業には、下記のような調達を行うための資金が必要です。

それぞれ具体的にどのくらいの費用がかかるか、参考となる目安を解説しましょう。

施術器具にかかる費用の相場

施術器具の費用は、鍼灸院の規模や使用する器具の種類にもよりますが、鍼や消毒器具、施術台などで数十万円単位での費用が必要です。

施術台は10万~30万円、消毒機材は数万円が目安です。

テナント契約にかかる費用の相場

テナント料金も、立地や広さによって大きく変動し、特に都心部では高額になりやすく、月10万~50万円以上の家賃がかかる場合もあります。

それにくらべると、地方では比較的安価になりますが、それでも物件の状態や立地によっては高額になりますので、良い物件を慎重に探してください。

備品購入にかかる費用の相

施術台や待合室の家具、タオルケットなどの備品購入にも意外と大きな費用がかかります。

まとめて購入する場合は50万円程度を見込んでおくと良いでしょう。

システム構築にかかる費用の相場

業務の効率化のためには、電子カルテや予約システムの導入が有効です。

これらのシステムには初期導入費用と月額費用がかかります。電子カルテは5万~20万円程度、予約システムは月額1万円前後が目安でしょう。

また、キャッシュレスレジの導入も検討する必要があります。

スタッフにかかる人件費の相場

鍼灸院を開業する当初は一人かもしれませんが、規模を大きくするならスタッフが必要になります。

たとえば受付スタッフや事務作業を行うスタッフを雇う場合、人件費も考慮してください。平均時給1,000~1,500円程度として月間の労働時間を考慮して計算すると、1人当たり10万~20万円の人件費になります。

知名度を上げるための販促費の相場

とくに鍼灸院を開業したばかりの時期には、地域の人々に自院の存在を知ってもらう販促活動が必要になります。

販促費用としては、広告出稿費、チラシ作成・配布費、SNSの広告費などが考えられます。

たとえば、折込チラシを地域に配布する場合、数千部で数万円の費用がかかります。Webサイトを制作したり、SNSに有料広告を掲載するには数万円から数十万円の予算がかかるでしょう。

ディプシーからのアドバイス

開業直後は、まだ知名度が低いために集患は不完全であり、すぐに十分な収益は見込めないでしょう。
この時期を耐えて乗り越えるためには、1~3か月分の運転資金を準備しておくのが理想的です。
この運転資金には、家賃、光熱費、消耗品費用などが含まれます。
地域や規模によりますが、最低でも50万円~100万円程度の運転資金を準備するのが理想です。
また、別記事「鍼灸院経営を始めるまでに必要な資金と準備」も参考にしてください。

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鍼灸院開業のポイント

ポイント

鍼灸院を開業する際には、以下のような重要なポイントがあります。中でも重要なのは、集患や広告活動、運営における戦略です。

広告を出す際の注意点

広告を出して新規の患者さんに来てもらうためには、どんな媒体を使うかということをよく考えて決めてください。

鍼灸院は地域密着型で、直接アプローチできる地元の方々がのターゲットの大部分を占めます。このため、フリーペーパーや折込チラシという広告媒体は鍼灸院の広告を出すのに適しています。

ただし、単にチラシを配布するだけでは大きな効果に結びつかない可能性がありますので、そこに掲載するメッセージやビジュアルには十分工夫を凝らす必要があります。たとえば施術内容や来院特典をはじめ、どんな特色がある鍼灸院なのかを効果的にアピールすることを考えてください。

集患のためにWeb広告を出すのもいいでしょう。多くの患者さんは居住地や勤務地などの近くにある鍼灸院をスマホなどで検索して探します。Google広告やSNS広告は、ターゲット層に絞った宣伝が可能で、効率よく集客できます。

Web広告を出す際は、広告をクリックすると自院Webサイトの予約ページや問い合わせ先に誘導するようにしましょう。

集客対策を徹底する

集客のためには、広告だけでなく、地域の方々との信頼関係を築くことが重要です。

たとえば無料の健康相談会や体験施術を実施したりすれば、自院の魅力を直接伝える機会を増やすことができるでしょう。

一度来院した患者さんに再び来院していただけるようにするために、施術後に適切なフォローアップやアフターケアを欠かさないようにしてください。

口コミや紹介を促進するという方法もあります。たとえば紹介割引やポイント制度を導入すれば、効果的に集患できるはずです。

特に口コミは、スマホの地図で鍼灸院を探す患者さんに選んでいただくためにしっかりと対策をしましょう。施術の効果をしっかり実感していただいたり、院内の雰囲気に満足していただけると良好な口コミを投稿していただける可能性が高まり、信頼性も向上し、新規の患者さんを獲得することにつなげられるでしょう。

出張専門で開業する方法もある

本記事では、テナントと契約して鍼灸院を開く方をメインに解説してきましたが、出張(訪問)専門で鍼灸師として開業する方法もあります。

出張(訪問)専門の鍼灸師なら、テナント費用や設備費用を削減できます。

高齢者や体が不自由な方々など、鍼灸院に足を運んでいただくことが難しい患者さんもたくさんいます。そのような患者さんにとって、自宅で施術を受けられることは大きなメリットになります。

出張(訪問)鍼灸を開業する場合、対応する施術・訪問エリアを設定し、複数の患者さんの家を効率的に移動する計画がが重要になります。

ディプシーからのアドバイス

出張(訪問)専門の鍼灸師の場合は、予約管理やスケジュール調整などを自分で行わなければならない可能性が高いため、それらのシステム導入は、より重要性が高まります。

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【まとめ】独立開業をスムーズに行うには事前の準備がカギ

株式会社ディプシー

鍼灸院を独立開業するには、設備や備品の準備から集患活動まで、多岐にわたる準備が必要になるでしょう。

特に、事前に事業計画や集客戦略をしっかり立て、十分な資金を確保することが成功する確率を高めるでしょう。

しっかりと計画を立て、事前準備を怠らないことで、スムーズに開業し、安定した経営を実現できます。

私たち株式会社ディプシーでは、鍼灸院で集客に成功するための専用ホームページ制作を行っています。

また、制作後の運用アドバイスやリスティング広告、MEO対策の代行なども行っていますので、鍼灸院ホームページの新規作成やリニューアルをご検討の際はぜひご相談ください!

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