「コンテンツマーケティング」とは、ビジネスにWebサイトを活用するために非常に重要なマーケティング手法の一つです。聞いたことはあるけど、実際にどのようなものなのかということをご存じない方も多いようです。
本記事では、コンテンツマーケティングの基本から実践・応用まで、わかりやすく解説します。
コンテンツマーケティングとは?
まず、コンテンツマーケティングがどんな手法かを解説します。
コンテンツマーケティングでは価値ある情報を活用する
「コンテンツマーケティング」とは、ユーザーにとって有益な情報(コンテンツ)を提供することによって、商品の販売やサービスの契約などを促進し、自社や自社ブランドの認知度を高めるためのマーケティング手法です。
そもそも、マーケティングとは自社の方品やサービスが売れる仕組みづくりのことです。その中でも、有益なコンテンツを提供するという手法を使うマーケティングが、コンテンツマーケティングです。
ユーザーは、Web サイトなどの媒体を通じてさまざまな情報を入手し、それをもとに商品やサービスに関心をもち、実際の商品の販売・サービスの契約を行います。コンテンツマーケティングはこの流れを自社のWebサイトの中で行うものです。
コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの一種
「インバウンドマーケティング」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
コンテンツマーケティングは、一般的にこのインバウンドマーケティングの一種と評価されています。
インバウンドマーケティングとは、消費者の方から商品・サービスに興味を持ってもらい、商品の販売などにつなげるマーケティング手法です。
従来型の営業手法は「アウトバウンドマーケティング」です。
これは積極的なセールスや広告の打ち出しによって商品を販売するマーケティング手法です。
インバウンドマーケティングはアウトバウンドマーケティングと真逆のアプローチです。
現代では積極的なセールスはかえってユーザーに敬遠されてしまう傾向があります。アウトバウンドマーケティングが有効ではなくなったために、多くの企業がインバウンドマーケティングを取り入れるようになったのです。
なぜコンテンツマーケティングが必要なのか?
コンテンツマーケティングに多くの企業が注目している理由は、「従来の広告の有効性が著しく低下している」からです。
宣伝手法の効果と時代の変化
かつての昭和・平成の時代、テレビコマーシャルや街頭広告が活用されていました。2000年代に入るとインターネット上の広告なども注目されました。
こうした広告を行うためには、媒体や広告代理店に広告料・コマーシャル料を支払います。テレビコマーシャルなどを放映するにはかなり高額なコストがかかりましたが、それ以上に商品販売に大きな効果を生んでいたために、大きく問題にはなりませんでした。商品をたくさん売るためには、宣伝にもバンバンお金を使えばよかったのです。
しかし、今やそうしたセオリーが崩れてしまっています。
インターネット、そしてスマートフォンなどが広く普及した現代では、消費者は「企業からの一方的な情報発信」を信頼しなくなり、「同じ消費者の立場から提供されている情報発信」のほうをより信頼するようになりました。いわゆる「口コミ」「レビュー」といった情報です。今までの広告手法はむしろ煙たがられるようになったのです。
従来のような広告宣伝効果が望めなくなったために、広告だけでは十分なマーケティング戦略を構築できなくなっているのです。
消費者の積極的な情報検索に合わせた手法が必要になった
インターネットと従来の広告宣伝との最大の違いは「消費者が知りたい情報だけを調べるようになった」ことにあります。
たとえば自動車のコマーシャルは、車に興味のある人には効果的ですが、車に関心がない人にはほとんど宣伝効果がありません。多くの人が車に興味をもっているということを前提にしたマーケティングになります。
ところが、インターネットでは、検索エンジンを使ってユーザー自身が調べたいと思う情報をピンポイントに知ることができます。
そこに目を付けたのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングは、また、「嫌われにくい」という側面があります。
企業の一方的な情報発信は今やユーザーを辟易させてしまうようになりました。
これに対して、有益な情報を発信することでユーザーが知りたいことを提供するコンテンツマーケティングは、ユーザーの不興を買いにくくなっているのです。
ディプシーからのアドバイス
コンテンツマーケティングは、時代に合わせた新しいマーケティング手法です。
まだまだ未発展の部分もありますが、インターネット需要に合わせたマーケティング手法を取り入れることは、多くの企業にビジネスチャンスをもたらすはずです。
コンテンツマーケティングにおける
「コンテンツ」の種類
コンテンツマーケティングとは、簡単に言えば「有益なコンテンツを提供するマーケティング手法」です。
その「コンテンツ」には、具体的にどのような種類があるのでしょうか。
画像コンテンツ
「画像コンテンツ」は、ビジュアルによる視覚的情報コンテンツです。
たとえば「白い犬」という文字情報だけでは犬種やサイズなどはわかりませんが、犬の写真データをWebサイトに掲載すれば、それを見たすべてのユーザーは等しくその犬のビジュアルを把握できます。
画像コンテンツにも「静止画」と「動画」があります。
静止画コンテンツは、コストパフォーマンスが良いため、ご存じのように多くのWebサイトで活用されています。
コストパフォーマンスが良いというのは、Webサイトに掲載しても、データ量が大きくないので負荷が小さく、表示時間にもほぼ影響しません。フリー素材なども充実していますし、写真撮影のハードルも下がっていますから、使いやすい媒体です。
一方の動画コンテンツは、動きと音声が付いていますので、静止画より多くの情報量をユーザーに提供できます。動き方・動かし方や迫力・臨場感、音と動きの組み合わせによってリアルな情報を提供できるので、訴求力が高くなります。
しかし静止画よりもデータ量が大きく、表示時間にも影響します。また写真撮影よりも手間がかかってしまいます。
テキストコンテンツ
「テキストコンテンツ」は、文字による知識的情報コンテンツです。
ここまで読んでいただいている本記事もテキストコンテンツです。
客観的な情報提供・評価をユーザーに伝えるために、多くのWebサイトで利用されています。
たとえば「○○という商品には△△という成分が含まれており、これには~~という効能があります」というような情報は、文字を使わずに静止画や動画だけで伝えることは難しいでしょう。文字なら数行で説明できることが、静止画や動画ではなかなか説明できないのです。
この例でもわかるように、テキストコンテンツは、知識を提供するために最も必要なエネルギーが少なく、使い方次第で大きな満足度を提供できる、コストパフォーマンスの良いコンテンツなのです。
ただし、いくら説明できるといっても、伝えたい内容によってはそれなりの量の文章が必要ですし、静止画や動画よりも誤解を生みやすいという面があります。
前出の「白い犬」の例もそのひとつです。犬のビジュアルを伝えるのには静止画や動画などのほうが早く、視覚情報を細分化して伝えるテキストコンテンツはあまり向いていません。
要はコンテンツの種類によって得手不得手があるということで、必要に応じてテキストや画像を使い分けることで、ユーザーのストレスを最小限に抑えた情報発信ができるわけです。
セミナー・イベントコンテンツ
「セミナーコンテンツ」「イベントコンテンツ」は、双方向の実体験による情報コンテンツです。
文章や画像では、なかなかリアルな体験を表現することができません。
大きな感動・満足感を与えてくれる「体験」は、ユーザーを動かす力がそれだけ強いということになります。
たとえば商品の使い心地などの情報は、実体験を通じて情報提供できるセミナー・イベントコンテンツが最も高い効果を発揮します。
ただし、このコンテンツは他のコンテンツよりも準備に手間がかかります。実際に施設や会場をおさえて来客に対してアプロ―チするリアルイベントともなると、地理的な条件がありますので、参加者が限られてしまうという面もあります。
テレビショッピング番組のように、好感度の高い複数のタレントが掛け合いによって商品を紹介し、視聴者からの質問にも答えたりするようなコンテンツも、セミナー・イベントコンテンツのひとつと考えられます。この場合は観客は不要ですから、インターネットの特性を活かして世界中に発信可能になります。
ディプシーからのアドバイス
コンテンツの種類は「伝えたい情報によって使い分ける」ことが重要です。
必要に応じてコンテンツを使い分けることにより、効率よく多くの情報を提供することができるでしょう。
コンテンツマーケティングを
実践する方法
コンテンツの種類を知っていただいたところで、実際にコンテンツマーケティングを行う方法について解説していきましょう。
KPIを設定する
マーケティングの基本は「KPIの設定」にあります。これはコンテンツマーケティングにおいても同じです。
KPIとは、最終的なビジネスの目的を達成するための中間地点の目標達成指標のことです。
数値化できる目的を指標とすれば、目標達成への進捗度を評価することができます。
コンテンツマーケティングにおいては、たとえば「サイト流入者数」「サイトを通じたセミナー申込者数」「SNSアカウントのフォロワー数」など、さまざまなKPIの設定が考えられます。
ただし、コンテンツマーケティングに限った話ではありませんが、KPIの設定は項目が多いほど良いわけではありません。
重要なのは、KGI(最終的な目標の達成指標)に則したKPIを設定することです。重要度の低いKPIはむしろビジネスの足かせになりかねません。
ペルソナを設定する
コンテンツマーケティングを行うには「ペルソナの設定」が必要不可欠です。
コンテンツマーケティングの最終目標は「商品を販売する」「ブランドの認知度を高める」などのビジネス上の明確な目的の達成です。
ペルソナを設定せず、万人向けのコンテンツを配信するのは効率的ではありません(自社のビジネスが全世界のあらゆる人をターゲットにしているような場合は別ですが、現実にはそれは大変難しいことでしょう)。
たとえば「生理用品」は男性には売れませんし、興味を持たれることもないでしょう。
つまり、コンテンツマーケティングには、その最終目的に合わせてターゲットを決める必要があるのです。
そのためには、コンテンツを提供するメインターゲットになるユーザー像(これを「ペルソナ」といいます)がどのような人なのか、どんな人にコンテンツを見てもらいたいのかということを明確化するのが効率的なのです。
ペルソナは、性別や世代といった大雑把なくくりではなく、家族構成や趣味嗜好、仕事に関することなどできるだけ細かく想定してください。コンテンツマーケティングの成果が高まります。
条件に合わせてコンテンツを制作する
コンテンツマーケティングを行う際には「条件に合わせたコンテンツ制作」が必要です。
前項で詳しく述べたように、コンテンツは種類によって伝えることのできる情報が異なります。
伝えたい情報は何なのか、どのように伝えたいのかを考え、提供するコンテンツの種類を決ましょう。
また、コンテンツマーケティングは継続的にコンテンツを提供し続ける必要があります。コンテンツ制作および公開のスケジュールや、担当者もきちんと決めておいてください。
効果を測定する
コンテンツマーケティングの重要なポイントは「効果測定を行う」ことにあります。
コンテンツを作り、それを公開すれば終わりというものではありません。
コンテンツマーケティングの流れに効果測定のステップを組み入れないと、コンテンツマーケティングが失敗に終わる可能性が高いでしょう。
定期的に自社コンテンツの効果測定を行い、十分な成果が出ているのか、改善するべき点はないかを把握して、必要に応じてフィードバックを行いましょう。
ディプシーからのアドバイス
コンテンツ制作は、設定したペルソナによって最適なもの決まります。
そのため、ペルソナ設定を間違えると不適当なコンテンツを制作してしまい、効果測定も無駄になってしまう可能性が高まります。
ペルソナ設定は特に重要ですので、上記をよく理解しておくことをおすすめします。
コンテンツマーケティングを
成功させるためのポイント
コンテンツマーケティングは、当然ながら「成功」しなければ意味がありません。
コンテンツマーケティングを成功させ、ビジネスに良い影響をもたらすためには、いくつか注目したいポイントがあります。
良質なコンテンツを制作する
コンテンツマーケティングを成功させるためには「良質なコンテンツを数多く制作する」ことが重要です。
良質なコンテンツとは何でしょうか。それはオリジナル性があり、コンテンツに触れたユーザーにより多くの利益を与えるコンテンツです。
そもそもコンテンツマーケティングの目的は、有益な情報を提供することで商品販売などの成果につなげることです。
低品質なコンテンツではユーザーの満足を得られず、商品販売などのアクションにつながる可能性は低いでしょう。
ユーザーに有益な情報をわかりやすく伝えるためには、伝えたい情報に応じて最適なコンテンツの種類を使い分け、ユーザーに評価してもらえるコンテンツを量産することが重要です。
キーワード選定を慎重に行う
コンテンツマーケティングを成功させるためには「メインキーワードの設定を慎重に行う」ことが重要です。
たとえば「ジャガイモ料理」というキーワードを設定すると、ジャガイモ料理について調べたいユーザーの検索ニーズを満たすことができますが、それだけでは十分ではありません。
大雑把なキーワードは多くのライバルを相手にすることになります。
たとえば「ジャガイモ料理 レシピ」「ジャガイモ料理 カロリー」「ジャガイモ料理 歴史」など、キーワードを複合的に組み合わせることで、ライバルとの無駄な競争を回避できます。
だからといって、まったく検索ニーズの見込めない(検索する人があまりいない)キーワードで勝負しても、多くのユーザーは流入してくれないでしょう。
「検索ニーズは十分にある」「けれどもライバルはそこまで多くない」というキーワードを見つけて、サイトのテーマとして設定しましょう。
カスタマージャーニーマップを活用する
コンテンツマーケティングを成功させるためには「カスタマージャーニーマップを活用する」ことが重要です。
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品・サービスを認知してから購入するまでの一連の行動やニーズを可視化したものです。どのタイミングで、どのようなコンテンツを届けるべきかを決めることに役立ちます。
コンテンツを発信した後に、ユーザーがどの段階でサイトから離脱するか、どの段階のコンテンツに強い関心をもつのかを、カスタマージャーニーマップと分析結果を組み合わせれば詳細に分析できます。
適切な方法で情報発信する
コンテンツマーケティングを成功させるためには「適切な方法での情報発信を心がける」ことが重要です。
文章や画像といったコンテンツの種類を適切に選ぶだけでなく、WebサイトやSNS、プレスリリースなど数ある情報発信手段のどれがターゲットに効率よく情報提供できるのか、といったことも考える必要があるのです。
たとえば比較的若年層に強い「SNS」は、ターゲットが若者なら適切な情報発信手段ですが、高齢者層へのアプローチには適していないかもしれません。
設定したペルソナや、提供したい情報の内容に合わせて、どういった手法であれば効率よく情報を届けられるかを考えて情報発信を実施してください。
フェーズごとに目標を測定する
コンテンツマーケティングを成功させるためには「フェーズごとに適した目標を設定して行動する」ことが重要です。
ユーザーが商品・サービスを認知し、最終的に購入するまでのフローは、「認知」「興味」「検討」「購入」というフェーズに分かれます。このそれぞれにKPIを設定してください。
これにより、フェーズごとに分析・フィードバックができ、よりスピーディに改善の対応が可能になります。コンテンツマーケティングの効率や成功可能性を高められるのです。
ディプシーからのアドバイス
PDCAを細かいスパンで回すと、フィードバックまでのスパンが短くなりますが、一方で長期的に効果が出やすい施策の分析が難しくなります。
実施している施策の効果の出方を把握しておき、過度に短期間で施策を評価しないように注意しましょう。
コンテンツマーケティングで
活用したいツール
最後に、コンテンツマーケティングを実施するにあたって使うべきツールを3つ紹介します。
CMSツール
「CMS」は、プログラミングの知識・スキルがない人手も簡単にWebサイトの構築ができるツールです。
構築だけでなく、Webサイトの運営時における各種変更もこのツールで簡単に行えますので、必要な施策を迅速に実施できます。
MAツール
「MA」とは、マーケティングにおけるさまざまな行動を自動化できるツールです。
コンテンツマーケティングにおいて必要となる各種分析や顧客管理などを自動化できることにより、運用担当者はクリエイティブな部分に注力できるようになります。
解析ツール
「解析ツール」は、Webサイトの訪問者数などのさまざまなデータを分析し、それを可視化してわかりやすくできるツールです。
コンテンツマーケティングの施策の効果が十分に表れているかどうかを数値化して評価できるため、適切にフィードバックしてコンテンツマーケティングを効率化します。
ディプシーからのアドバイス
ツールは、1つだけ利用すれば良いというわけではありません。
ツールごとに得手不得手がありますので、そのツールの得意分野を活かしつつ、他のツールと必要に応じて連携することでより効果的なフィードバックを可能にしましょう。
【まとめ】
コンテンツマーケティングは基本から応用まで把握して実践しよう
インターネットが普及した現代において、コンテンツマーケティングは必要不可欠なビジネスアクションです。
本記事で解説した仕組みと成功のポイントをしっかり押さえ、自社のビジネスを発展できるコンテンツマーケティングを実施しましょう。
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