この10年で整骨院の数は飛躍的に増加し、患者さんの奪い合いが行われている現状があります。その結果、施術のスキルを研鑽することを怠ったり、患者さんに寄り添った説明ができていなかったり、適切なプロモーションを行っていない整骨院には患者さんが来なくなってしまっています。
そこで、患者さんが来ないという悩みをもつ整骨院経営者の皆様に、患者さんが来ない原因と、その対策を解説します。
整骨院が患者さんを奪い合う状況
全国柔整鍼灸共同組合の調査によると、2023(令和4)年現在の柔道整復師施術所数は50,919軒でした。2021(令和2)年の調査では50,364軒なので、微増ということになります。同調査の都道府県別データを独自にグラフ化すると、次のようになります。
単純に施設数だけを比べても人口密度が異なるので、「人口10万人当たり」で比較したデータを抜き出したところ、関東は30~45軒とまだ少ないものの、長野県、京都府、大阪府、和歌山県で整骨院数が60軒以上とかなり多く、患者さんの奪い合いが非常に厳しくなっていることがわかります。
安定した整骨院経営のためには、患者さんを確保することは何よりも重要です。
患者さんが来なくなってしまい、泣く泣く整骨院を閉院せざるを得なくなるケースも少なくない状況にあるのです。
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患者さんが来ない原因とその対策
まず、患者さんが自院に来ないのはなぜかということを考えてみましょう。よくある原因と、それに対する対策を解説します。
他院との差別化ができていない→得意分野を作る
患者さんが来ないのは、他院との差別化ができていないからかもしれません。
ひと口に整骨院といっても、それぞれの得意分野があるはずです。そのため、他所の施術所との差別化を図ることが重要です。
例えば肩こりという症状を解決したい患者さんに対して「頭痛・肩こり・腰痛・坐骨神経痛・出産後の骨盤矯正は当院で!」とアピールしても、今ひとつぴんと来ないのではないでしょうか。「肩こりに悩んでいる方はぜひ当院へ!」とストレートにアピールしている院のほうに行きたくなるはずです。
間口を広げて多くの患者さんを呼び込もうとすると、多くの整骨院とまともに競争しなければなりません。他院が強みにしていない部分を見つけて自院の強みとすることで、得意分野を作りましょう。
施術のスキルが低い→スキルを研鑽し、丁寧なトークを身に着ける
患者さんが来ないのは、残念ながら、そもそも施術スキルが高くないからかもしれません。患者さんはなんらかの悩みを抱えて整骨院を訪れます。せっかく来てくれたのに、その悩みを解決できなかったら、再び来院してくれることはないでしょう。
自分の施術スキルが高くないことを自覚しているのでしたら、忙しいかもしれませんが、勉強会に参加するなど、スキルを高めるためのトレーニングを積みましょう。そのような自覚がなかったとしても、積極的に新しいスキルを身に着け、つねにスキルを研鑽する姿勢を忘れないでください。
また、患者さんに伝える説明が曖昧なことが患者さんが来なくなる原因かもしれません。症状や施術についてわかりやすく説明できるトーク力も施術スキルの一部なのです。
・どうしてこの施術なのか
・この施術をすることで、症状はどのように改善されるか
・施術を続けることにどんなメリットがあるのか
・そもそも、なぜ身体に不調が出てしまっているのか
このようなことを丁寧に説明することで、患者さんは安心できます。
特に「治療にかかる期間」は、ほとんどの患者さんが知りたいと思うことです。「このな施術を行うことで、〇回くらいで症状が改善するでしょう」というような説明できないと、患者さんはいつまで通いつづけなければならないのかわからず、費用や通院頻度の不安を感じてしまいます。「必ず良くなります」と曖昧に説明するのではなく、具体的な数字を出して説明をすることで、患者さんが安心して来院できるようにしてください。
慣れない方は、あらかじめトークスクリプトを用意しておくと、スタッフも同じ説明をできるようになりますので、大変有効です。
ディプシーからのアドバイス
自費メニューを導入し、患者さんにあった施術内容を提供すれば顧客満足度を高めることもできるかもしれません。
リピートにつながっていない→続けて通おうと思わせる説明を
患者さんが来ないということは、せっかく一度来院した患者さんが、リピートしてくれていないだと思います。
いくら新しい患者さんを獲得できても、次につながらなければ患者さんの数はだんだん減ってしまうでしょう。新規の患者さんを獲得するために使った時間やお金、労力が水の泡になってしまいます。
次もこの整骨院に来ようと思ってもらうためには、上述したように施術スキルの研鑽も欠かせませんが、「続けて通おう」と自然に思わせるような説明をきちんと行う必要があります。
例えばしっかりした施術計画を提示したり、心地よい接客を心がけたり、院自体が居心地良く、メニューも充実していると患者さんに思ってもらえるようにすれば、次回の予約をしてくれる確率が高まるでしょう。
整骨院の施術はそもそも一度受ければそれで解決することは少なく、続けて来院してもらうことで徐々に結果が表れるものです。自信と責任をもって、患者さんに「〇回ほど施術が必要です」と伝え、次回はいつ来院できるのかを確認するルーティーンを作りましょう。
ディプシーからのアドバイス
そもそも、「次回は〇日に来てください」という次の予約に結び付ける仕組みができていない可能性もあります。
施術が終わり、会計を済ませた患者さんを「お大事に」とそのまま帰してしまっていませんか?次回予約を促すトークを盛り込んでいますか?
プロモーションが不足している→自院の特徴と顧客をよく分析する
患者さんが来ないということは、自院のプロモーションが十分にできていないかたかもしれません。
他院と差別化を図り、自院の魅力や特徴、得意な施術などを効果的にアピールしつづけなければ、患者さんに気づいてもらえません。
例えばチラシや広告、ホームページやブログ、SNSなどで情報発信は整骨院のプロモーションとして必須ですので、何も行っていないのなら、手をつけられるところから始めてください。
すでにプロモーションを行っているのに患者さんが来ないのなら、それはプロモーションの効果が出ていないということです。その場合は早急にプロモーションのコンセプトを見直す必要があるでしょう。どの地域の患者さんが少ないかを分析し、そこに集中してチラシをポスティングしたり、年齢層に合わせた内容のチラシを作ったり、腰痛やスポーツ障害などニーズの高い悩みに合わせたメニューやキャンペーンを行うことが効果的です。
ディプシーからのアドバイス
自院の特徴とターゲットとしている顧客をよく分析して、地域や年齢層に合った適切なプロモーションを実行してください。
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患者さんが整骨院にリピートしてくれない理由を突き止めるには
接骨院の数が増え、新規の患者さんを獲得しづらい状況であることを考えると、せっかく獲得した患者さんが2回、3回とリピートしてくれるかということが大きなポイントになります。
1回の施術で患者さんの悩みが解消されることは、ほぼないと言っていいでしょう。
リピート率が低いとしたら、問診や施術、施術後の説明、来院指導など、どこかに問題があるということです。
つまり初回の患者さんが2回目の来院をしてくれているかということが重要なポイントになります。
来院してくれた患者さんが何回目なのかという回数を分析し、リピートしていない原因を知り、課題を把握することで具体的な改善策を講じて、リピート率を上げる施策を実行しましょう。
リピートしてくれている患者さんを分析する
まず、リピートして来院してくれている患者さんを、レセプトやカルテから分析しましょう。
・どんな部位、症状の患者さんが多いのか?
・年齢層、地域等は?
・これまでの来院数は?
・施術者別に見ると、どの施術者が多いか?
これらの情報から自院の強みを見出し、それをさらに強化すれば、リピート率を上げられるはずです。
リピートしてくれなかった患者さんを分析する
次に、リピートしてくれなかった患者さんを同様に分析してください。
・初回だけなのか、2回目で来院しなくなったのか、3回目で来院しなくなったのか?
・どんな部位、症状の患者さんが多いのか?
・年齢層、地域等は?
・これまでの来院数は?
・施術者別に見ると、どの施術者が多いか?
以上を分析すると、リピートしてくれなかった理由がおぼろげに見えてくるはずです。その原因を改善することで、リピート率を上げることができるでしょう。
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整骨院のリピート率を上げる方法
初回の患者さんがリピートしてくれないとしたら、問診や施術、来院指導に問題があると考えられます。リピートしていない原因を探り、課題を把握することで具体的な改善策を講じるために、
患者さんの信頼を得るための問診チェックリスト
まず問診がポイントです。
次のような項目をヒアリングできているか、下記のリストをチェックしてみてください。
◻︎いつ・どこで・どこを・どのようにしてケガをしたか・痛みが出たか
◻︎痛みがあることで何が(一番)不自由か・困っているか
◻︎いつまでにどのような状態になりたいか
◻︎どのような施術を希望しているか(自費施術も取り入れて早く回復したいのか、保険施術のみの希望か、弱めの施術を希望しているか、強めの施術を希望しているかなど)
次に、上記に対して次のような説明をしているか、チェックしてみてください。
◻︎施術前の体の状態を確認しているか(体の状態、痛み・可動域の確認など)
◻︎施術内容や施術計画の説明をしているか
◻︎受領委任の取り扱いの説明をしているか(対象となる負傷、負傷名と施術部位、領収証の交付義務、申請書への署名の趣旨など)
◻︎日常生活での励行事項や禁止事項の説明をしているか(入浴、歩行、就労制限、運動制限など)
例えば、短期間で回復したいという希望があれば、目標にむけた施術計画を立て、通院の回数を増やしたり、自費施術を受けていただいたりすることを提案することになります。
リピートしてもらうための施術後の流れ
施術後には、施術したことで体の状態がどのように変化したか(体の状態、痛み・可動域の変化など)を具体的に理解してもらい、施術が効果を発揮したことを確認して、患者さんに信頼してもらいます。
また、もみ返しのような痛みやだるさが出ることがあることも説明し、対処法についても説明します。施術効果を上げるために行ってほしい体操、痛みが出たときの対処法などのセルフケア方法についても説明してあげてください。
最後に、改善までの期間、来院頻度などの施術計画を説明し、継続して施術を受ける必要性があることを言い切ってください。一度では症状がすべて改善することがないことを伝えて、継続施術する必要性を理解して納得してもらいましょう。
これは自分自身も心から納得できる内容であり、患者さんがわかりやすい言葉で話せているか、患者さんが納得しているかということを必ず確認してください。
来院指導をしっかりと行い、症状改善に至るまで来院してもらいましょう。
ディプシーからのアドバイス
診察券に次回予約を必ず記載すると、計画的に来院してもらうことができるでしょう。
予約した患者さんに優先的に施術を行うようにすれば、次回の来院日や施術の予定が決まることで患者さんの不安が減ります。
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【まとめ】患者さんに寄り添ったサービスでリピート率を上げよう
「自院に患者さんが来てくれない」と悩んでいる整骨院経営者は、なぜ患者さんが来てくれないのか、施術スキルは十分か、そしてリピート率を上げるための問診をきちんと行っているか、現状を見直してみましょう。
これらに問題がない場合は、適切なプロモーションを行うことで患者さんを増やすことができる可能性があります。そのためには自院の特色を把握するとともに患者さんのニーズを理解し、どんなサービスを展開すれば患者さんが喜んでくれるのかを理解することが重要です。患者さんに寄り添ったサービスを提供すれば、おのずと患者さんのリピート率は上がっていくはずです。
整骨院経営を安定させるために、日々、継続的な努力と改善を心がけてください。
株式会社ディプシーでは、整骨院で集客に成功するための専用ホームページ制作を行っています。
また、制作後の運用のアドバイスやリスティング広告運用の代行なども行っていますので、整骨院ホームページの新規作成やリニューアルをご検討の際はぜひご相談ください!
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