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鍼灸院の経営を安定させるには、多くの患者さんに来ていただくための集客施策が欠かせません。
オンライン・オフラインの双方において練り込んだ集客施策を実施し、自院ならではの施術について正しく患者さんに伝えていく必要があるのです。
しかし経営者と院長を兼ねている個人鍼灸院では、施策を立てて実行する時間はなかなかないでしょう。

本記事では、鍼灸院の集客施策の立て方・進め方を整理して解説します。
自院にあった施策を実行していきましょう。

    目次

  1. 1. 鍼灸院のありがちな集客の悩み
  2. 1-1. ネットをうまく活用できない
  3. 1-2. 自院の強みがわからない
  4. 1-3. 競合との差別化ができていない
  5. 2. 集客したい患者さん(ターゲット)を決める
  6. 2-1. 新規顧客の集客
  7. 2-2. リピーターの集客
  8. 2-3. 休院客の集客
  9. 3. 鍼灸院のオフライン集客方法
  10. 3-1. チラシによる集客
  11. 3-2. 看板・店頭ボードによる集客
  12. 4. 鍼灸院のオンライン集客方法
  13. 4-1. ホームページによる集客
  14. 4-2. SEOで集客する
  15. 4-3. Web広告で集客する
  16. 4-4. YouTubeなどの動画による集客
  17. 4-5. Googleビジネスプロフィールによる集客
  18. 4-6. SNSによる集客
  19. 4-7. 口コミサイトによる集客
  20. 5. 【まとめ】やみくもに集客施策を展開するのは逆効果

鍼灸院のありがちな集客の悩み

悩み

コロナ禍を経て鍼灸院を取り巻く環境が日々変わりつつある中で、自院への集客に悩んでいる鍼灸院の経営者も多いことと思います。

特に次のような悩みを感じている鍼灸院が増えているようです。

ネットをうまく活用できない

鍼灸院もネットを活用して集客することが当たり前になりつつあります。

特に10~30代の患者さんは、従来のようなチラシなどに目をとめる機会が減り、ネットでの口コミやSNSを参考にしています。今、ネット上でいかにポジティブな口コミを獲得していくかということが集客に大きく影響するのです。

ネットを活用した集客がうまくてきていないという経営者の声をよく聞きます。

本記事では、ネットを活用した集客を「オンライン集客」と呼び、後半で詳しく説明していきます。

自院の強みがわからない

自院にはどのような強みがありますか?

これはそのまま、どのような集客施策を行うかということに直結します。

この問いに迷うことなく答えられれば、それがはそのままアピールポイントになります。その強みを集客上で表現すればいいのです。

自院の強みが何かわからないという経営者の声をよく聞きます。

その状態で集客しても、患者さんにとっては他の治療院と同じような鍼灸院に見えてしまうでしょう。

きちんと強みをアピールして集客すれば、「まさにそういう鍼灸院を探していた!」という患者さんに目にとまり、来院してもらえる可能性があります。

もし、何を強みにするべきかわからない場合は、次項で説明するような、他の鍼灸院と比較して何が優れているのか、という観点から考えてみましょう。

競合との差別化ができていない

競合院との差別化ができていない鍼灸院も少なくありません。

自院の強みを言葉にする方法のひとつは、同地域の他の鍼灸院について調べて、差別化のポイントを探ることから始めることです。

次のようなキーワードでネット検索してみてください。「地域名」は、都市部なら自院の最寄り駅中心とする3km以内程度、地方の場合は車で30分以内を指定するのがいいでしょう。

  • 「(地域名) 鍼灸」

  • 「(地域名) 美容鍼」

  • 「(地域名) 症状」

  • 「(地域名) エステ」

  • 「(地域名) 整体」

  • 「(地域名) カイロプラクティック」

競合となる同地域の鍼灸院のホームページと比べて、自分が勝てるところがあるかという観点で、次のような項目をチェックしてください。

差別化ができていれば、自院の特徴に合っていて、自院を求めているお客様(要するにペルソナにぴったりなお客様)によりピンポイントで見つけてもらいやすくなります。

口コミの数、ポジティブ/ネガティブの割合

口コミ数は患者様からの信頼度を表す重要な指標です。他鍼灸院と比較して最終的に「ここへ行こう!」と後押しするファクターになります。好意的な口コミが多ければ、それだけ手強い競合になるということです。

美容系か治療系か
自費診療か保険適応か

美容系/治療系、自費/保険診療は、客層の違いにつながります。自院と異なる場合は競合にはならないケースが多いでしょう。

施術者は男性か女性か

施術者の性別は意外に重要です。例えばターゲットを女性としている場合、女性施術者がいる鍼灸院に行く可能性が高いからです。

完全個室の有無
完全予約制かどうか

これらは、患者にとってメリットになるファクターであり、来院しやすさに直結します。

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集客したい患者さん(ターゲット)を決める

ターゲット

上記のような悩みを踏まえて、鍼灸院の集客施策を立てる上で、より具体的に決めなければならないポイントを解説します。

前項で述べた「自院の強み」を踏まえて、どのような患者さんにきてほしいのかということを決めましょう。

どんなビジネスでも、ターゲットを定めることは最大の集客戦略です。ターゲットが決まればどんな媒体で集客すべきかということも見えてきます。

誤解しないようにしてほしいのですが、ターゲットを決めたからといって、それ以外の人はシャットアウトするという意味ではありません。

ターゲットの患者さんに自院を選んでもらえるようになれば、自然に患者さんの数は増えていくはずです。

また、考え方としては、新規の患者さんを重視するのか、リピーターの患者さんを重視するのかということがあります。

もちろん両方重視すべきなのですが、それぞれアプローチが異なります。

新規顧客の集客

新規の患者さんに来てもらうためには、まず自院のことを知ってもらわなければなりません。

例えば魅力的なホームページを作ったり、SEO対策を実施することが、それまでアプローチできていなかった患者さんの目に触れる機会を増やす施策です。

ただし、新規顧客を獲得するのは、次に説明するリピーターの獲得よりコストがかかることを覚えておいてください。

既存の患者さんに紹介をお願いする新規顧客獲得も有効です。

リピーターの集客

新規顧客だけでは鍼灸院の経営を成り立ちません。来院してくださった患者さんに満足していただくことはもちろんですが、その患者さんがまた来院してくれなければ、鍼灸院の経営は安定しません。

ブログやSNSを通した情報発信などは、既存の患者さんの利便性を向上し、再び来院していただくことにつながる施策です。

新規の患者さんを集めるのより、時間もコストも少なくすみますので、経営を安定させるためにリピーターを獲得しましょう。

休院客の集客

上記以外に、「そういえば最近来ていないな」という患者さんがいませんか?

一度来院してくれたものの、その後ずっと来院いただいていない「休院客」へも忘れずにアプローチしましょう。

患者さんの健康のためにも、身体のメンテナンスを促すメッセージや、新メニューの紹介、キャンペーンの案内など、アピールして、再度の来院を促しましょう。

ディプシーからのアドバイス

なぜ休院状態になっているのか?忙しかったり、面倒くさかったり、きっかけがなくなったり、ということが考えられますが、ほどんどの場合ははっきりした理由がなく、「なんとなく」ということが多いはずです。

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鍼灸院のオフライン集客方法

チラシ

まずは、従来からよくある、オフラインの集客手法から説明しましょう。

オフライン集客には、ターゲットに直接訴えることができるメリットがあります。特に地方などでは人が少ないこともあり、都市部に比べてオフラインの反応率が良い傾向があります。

オフライン集客の媒体としては、チラシや地域誌への広告などがありますが、媒体ごとにターゲット層が異なりますので、打ち出す内容で決めると良いでしょう。

新規開業をお知らせしたり、新しいメニューなどを広めたい場合には即効性があります。

ただし、鍼灸は広告できる内容に規制がありますので、注意する必要があります。

チラシによる集客

ポピュラーなオフライン集客方法が、昔ながらのチラシの配布です。

ポスティングのメリットは、比較的効果が出るのが早いことです。ネット広告などとは異なり、訴求したい地域の方に確実に素早く情報を届けられます。

チラシにQRコードなどを掲載してホームページに誘導するということも可能です。そうした使い方をすれば、チラシはまだまだ現役の集客チャネルになります。

ただし、むやみにチラシをばらまいてもムダになるだけですので、配布する地域は、車で30分圏内のうち、まずは近いところから試して反応を見ましょう。

期間を限定して配布したり、キャンペーンに合わせたりしてチラシを配布するのが特におすすめです。

また、鍼灸院には「広告制限」の問題があり、チラシに書ける項目は「あはき法」(「はあき法」と呼ばれることもあります)によって制限されています。この内容を守ってチラシを制作しなければなりません。

あはき法とは「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」のことです。医師以外がマッサージや鍼灸を行うにはそれぞれに応じた免許取得が必要であることから、エステやアロマテラピー、カイロプラクティックなどの業種においては治療を目的とした広告宣伝は法律違反となります。このため使用できない文言や、記載してはいけない内容が定められており、広告の制限も毎年細かく変化しているので注意が必要です。
参考:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

規制を守らないと保健所から指導が入り、改善されないと、「あはき法第13条の8」によって違反者として30万円以下の罰金の支払いが命じられます。一度問題を起こすと患者さんからの信頼も失いかねませんので、十分に注意しましょう。

看板・店頭ボードによる集客

看板・店頭ボードは、比較的コストをかけずに集客できる媒体です。

普段から目につくように工夫し、毎日気軽に書き換えることによって、自院の前を通る人に認識してもらいやすくなります。すぐに施術したい人ではなくても、鍼灸院が必要になったときに思い出してもらえる可能性があります。

ブラックボードなどをよく見かけると思いますが、数千円程度のものですから、自院の前にスペースがあればぜひ設置しましょう。

どんなふうに書けばいいかわからないという方は、SNSなどを見るとさまざまな事例がありますので参考にしてみてください。

また、看板に書かれた内容は違法なものにならないよう気を付けましょう。誇大に取られると保健所からの注意が入る可能性があり、基準は地域により異なるので、微妙な内容は事前に管轄の保健所に問い合わせしたほうがいいこともあります。

ディプシーからのアドバイス

チラシの反応率は0.01~0.3%と言われ(10,000枚配って1人来院する)、これを超えると「当たり」と言われます。
「自院近隣に住む体に不調のある見込み患者さん」に届けるということをイメージしてください。

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鍼灸院のオンライン集客方法

オンライン

ネットを使った集客というと、通販やネットショップのことを思い浮かべる人も多いと思いますが、今は誰もがスマホで検索して情報を得る時代ですから、特に都市部ではオンラインの集客は必須になっています。

地方の鍼灸院だと、オフライン集客にばかり目がいき、オンライン集客は必要ないと思いこんでしまいがちですが、他院のホームページがないのなら、逆にブルーオーシャンとなり、早く作っておくことで見てもらえる可能性が高いとも言えます。

集客の窓口は広いほどいいので、オンライン集客に取り組みましょう。

ホームページによる集客

ホームページ

まずはホームページを作り、それを適切に運用することから始めましょう。

ホームページをもつことで患者さんの信頼も得ることができますし、チラシや店頭看板では載せきれない情報を載せられます。

ただし、新しくホームページを作るのなら、スマホでもPCでも最適なレイアウトで表示する「レスポンシブデザイン」は必須です。

ホームページのデザインやレイアウトはとても大事で、見にくいホームページはすぐに離脱されてしまいます。

まずは店舗情報(店舗名、電話番号、診療内容など)と写真のみの簡単なものだけでも作っておきましょう。できれば予約システムも付けると、24時間予約を受け付けられるようになり、忙しい患者さんにとても便利です。

もし制作会社に依頼する場合は、集客目的のホームページであることを伝え、どのような患者さんを集めたいのかということも伝えてください。

ただしホームページは、ただ制作するだけでは効果がなく、次項で解説するSEO対策とセットで考える必要があります。

SEOで集客する

SEO

これはホームページありきですが、SEOによる集客は非常に有効です。

SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、ある検索ワードが入力されたときに、自分のサイトが上位表示されるようにする対策のことです。

SEO対策を行えば、すでにニーズが顕在化している、見込み度の高い患者さんにでアプローチできます。

例えば、「新宿」で鍼灸院を探している人は、「新宿 整体院」というワードで検索するでしょう。検索エンジンは、そのワードに合ったページを表示させるので、あらかじめそれに合ったホームページを作っておけば、新宿で整体院を探しているニーズの高い患者さんを自院のホームページに誘導できるわけです。

まさに今、鍼灸院を必要としている人に効率的にアプローチできることがSEOの最大のメリットです。

Web広告で集客する

WEB広告

Google・Yahooなどのリスティング広告と呼ばれるもので、ホームページに誘導するためのなので、これもホームページとセットになる集客施策です。

検索されたキーワードでピンポイントで表示させることができ、時期を選んでお金をかけ、広告で露出を増やし、集客していきます。

上記のSEO対策がうまくいかないときでも、検索画面の上位に表示されますので、非常に効果的です。

ただし掲載されている間はずっと広告費がかかりつづけ、広告をストップすると明確に集客効果が落ちるため、依存してしまいがちになるというデメリットがあります。

Web広告をおすすめするのは、何らかのキャンペーンを実施する期間に行うことです。

また、広告の運用には専門的な知識も必要になるので、それを勉強したり、業者に依頼するコストもかかるでしょう。

YouTubeなどの動画による集客

YouTube

最近はYouTubeを活用する鍼灸院も増えています。

動画のメリットは、臨場感があり多くの情報を伝えられることです(文字だけの情報の5,000倍もの情報を伝えられると言われます)。施術風景や、院長の紹介、スタッフや患者さんへのインタビューなどが考えられます。

動画コンテンツを制作すれば、ホームページや店頭のデジタル看板、SNSなどでも活用できます。

ただし、制作のハードルは比較的高く、撮影や編集には時間がかかり、専門的な知識が必要です。プロに依頼すると大きなコストもかかります。

患者さんに生の声を話してもらおうと思っても、顔出しだと協力を断られてしまうこともあるでしょう。

中途半端なクオリティの動画では逆に信用をなくすこともありますので注意が必要です。

Googleビジネスプロフィールによる集客

MEO

治療院に関わらず店舗型のビジネスで多く利用されているのがGoogleビジネスプロフィールです。無料で始められることが最大のメリットです。

Googleマップで「(地域名) 鍼灸院」「(地域名) 鍼灸名」で検索したときに上位に表示されるほど、来院してもらえる可能性が高まります。

Googleビジネスプロフィールに営業時間や営業日を明記することで、鍼灸院を探している患者さんの利便性が向上します。

また、Googleビジネスプロフィールには口コミ投稿機能があり、口コミが多いほどGoogleマップ上で上位に表示されやすくなります。口コミが多いと信頼と権威性も上がります

既存の患者さんに口コミを投稿してもらうように声がけしたり、投稿した人にプレゼントを進呈するなどして、競合院以上の口コミ数を目指しましょう。

SNSによる集客

SNS

SNSも無料で気軽に始められる集客方法です。

TwitterやFacebookなどさまざまなSNSがあり、ユーザー層が異なります。自院のターゲットにマッチするSNSで、興味を持ってもらえそうな投稿を行いましょう。

中でも鍼灸院で最近人気なのは特に若い世代に普及しているInstagramでの集客です。Instagramの場合、少額から広告も実施できるので、使いこなせれば強力な集客ツールになります。

他のSNS利用者数も、アカウントを適切に育てることで、継続的に集客が可能です。

ただし、SNSでの集客は、最初のうちはなかなか効果が出にくいこともあります。

SNSを運用するには根気と時間が必要です。初めて触るような方だと余計に時間もかかり、途中であきらめてしまいがちです。継続が鍵ですので、あせらずにコツコツ積み重ねていきましょう。

また、LINEは国内で8,000万人以上が利用している非常にポピュラーなSNSです。LINE@というサービスを使えば、患者さんのLINEアカウントにメッセージを送ったり、メニューを表示させたり、クーポンを配布したりできます。ぜひ運用を検討してみてください。

口コミサイトによる集客

口コミサイトの活用も1つの手段でしょう。

お客様からの生の声はまさに財産です。自院に対するポジティブな口コミは良い印象を持ってもらいやすくなります。鍼灸院を探している患者さんはそうした口コミを参考に訪れる鍼灸院を決める傾向があります。

口コミサイトへの登録は、ホームページを作ったりSNSでの発信などのような準備が要らないので、すぐに始めることができます。

口コミサイトは企業が運営しているものなので、ただ掲載するだけなら無料でできますが、情報をある程度以上充実させたい場合には有料になることもあります。

ディプシーからのアドバイス

Googleビジネスプロフィールは登録申請をしてから少し時間がかかるため、新規開業する場合は場所が決まって契約が進んだら、早めに申請ししょう。

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【まとめ】やみくもに集客施策を展開するのは逆効果

株式会社ディプシー

鍼灸院の集客施策にはオンラインとオフラインがあり、その中にもさまざまな媒体があります。オンラインとオフラインのどちらにも良いところ・悪いところがあります。どちらかだけを取り組むのではなく、両方をうまく組み合わせて集客するのが理想です。

かといってやみくもに手を出し、すぐに効果が出ないからといってあきらめるのでは意味がありません。自院の強みを正しく認識し、どんな患者さんを集客したいのかを決め、他院との差別化ポイントを決めて、自院の地域や方向性、考えに合う集客施策を実施してください。

自身の治療院が正しくお客様に伝わるよう、集客施策を検討していきましょう。

株式会社ディプシーでは、「整骨院・接骨院・鍼灸院・整体院」などの集客のお手伝いさせていただいております。
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